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パデルの試合ノートの書き方

9 分
パデルの試合ノートの書き方
この記事の内容

ロブで相手を下がらせたのに、自分だけが前に出て、パートナーとの距離が開いてしまった。パデルの試合ノートには、こうした気になった場面を、打ったショットと二人の動きがわかるように書きます。

試合全体を細かく再現する必要はありません。覚えているラリーを一つ選び、相手の返球、自分たちの動き、次に試したいことをメモするところから始めましょう。同じ相手とまた対戦するときに、パートナーと読み返せます。相手ごとに記録をまとめる使い方は、対戦相手帳をつける理由でも紹介しています。

試合後に書いておきたい5つのこと

何から書くか迷ったら、次の項目を使ってみてください。全部を埋める必要はありません。

項目 書いておくこと
誰と、どんな試合をしたか 日付、練習試合か大会か、自分たちと相手の4人の名前、それぞれのサイド、わかる範囲の利き手。屋内・屋外、風などの条件も。
サーブからどう展開したか サーブのコース、リターン、その次の返球。どちらのペアが先にネットに出たか。
ネットに出た場面・下がった場面 ロブなどのショットのコースと深さ、相手の返球、両方のペアの動き、そのラリーの結果。バウンドした球なら、その位置も。
自分たちはどう動いたか 打ち急いだ場面、二人の距離、声をかけたタイミング。最初の印象と違うプレーがあれば、それも書く。
次に何を試すか 試したいことを二つと、うまくいかないときに変える条件。

名前の横には、その日に誰と組み、どちらのサイドでプレーしていたかを添えます。左右は、それぞれのペアがネットを向いたときの向きで統一しましょう。相手の右サイドは、こちらから見ると左側です。利き手など、確認できていないことは「不明」でかまいません。

同じ選手でも、パートナーやサイドが変われば、打つ球や動き方は変わります。一度ロブの返球をミスしただけで「ロブが苦手」と決めつけず、そのとき何が起きたかを書きます。

メモには「記憶から」「動画で確認」「観戦していた人の話」のように、何をもとに書いたかも添えておきます。回数が曖昧なら、無理に数字にせず「何度かあった」と書けば十分です。動画があれば、気になるラリーを見直せます。試合の記憶と忘却についての研究は別の記事にまとめていますが、パデルのプレーを何時間で忘れるかが決まっているわけではありません。

この5項目は、書きやすさを考えて本記事で用意したものです。次に試すことを二つに絞るのも、試合前に確認しやすくするためです。後で紹介する研究は、こうしたノートの書き方や、試す数によって成績がよくなるかを調べたものではありません。

上から見たパデルコート。ネットの両側に選手が二人ずつ立っている。
打っていないパートナーの位置にも注目します。

ロブを打った後、二人はどう動いたか

「ロブがよかった」だけでは、後からプレーを思い出しにくくなります。「山本さんのいる側に深く入り、相手の二人が下がった。こちらも二人でネットに出られた」と、打ったショットと両方のペアの動きを続けて書きましょう。

相手が下がったロブと、ネット付近で楽に打ち返された浅いロブは分けて記録します。スマッシュやバンデッハなど、上から打つショットでどう返されたかも見ておきます。ショットの名前がわからなければ、「上から強く打たれて、前に出られなかった」でかまいません。

前に出るかどうかは、実際のロブの深さと相手の返し方を見て判断します。深く打てたつもりでも、相手が強く打ち込めるなら守る準備が必要です。二人で動ける状況かを確かめず、自分だけが前に出ていなかったかも振り返ります。

サーブからの動きも同じように見ておきましょう。サーブを打った人が前に出る間、そのパートナーはすでにネット付近にいることがあります。二人がどこから動いたかを分けて書けば、サーブ、リターン、次のボレーまでの流れがわかります。

ボレーで打ち合った場面では、二人の位置を確かめます。一人だけがネットに近づいていたなら、もう一人がどこにいたかも書きます。壁から跳ね返った球を返す場面では、跳ね返りを待って打てたか、急いで触ろうとしていなかったかも振り返ります。「自信がなさそう」と気持ちを推測するより、「二人とも下がった」「声をかけてパートナーに任せた」と、見えた動きを書きます。

図を使うなら、手前を自分たち、奥を相手にするなど、向きを決めておきます。印には「相手が打った位置」「ボールがバウンドした位置」などの説明を添え、「リターンからラリー→深いロブ→相手が下がる→二人で前へ」のように順番も書きます。図に点を打つだけでは、後からプレーの流れをたどれません。

ガラスの壁際にある黄色いボールと、その反射。ネットの向こうに二人の選手が見える。
打った球のコースや深さ、相手の返球を見て、二人で前へ出るか判断します。

記入例:ロブとセンターへの返球を試す

以下は、書き方を示すための架空の練習試合です。実際の選手の記録や研究データではありません。

相手と条件 9月15日、クラブの練習試合。いつも組む佐藤さんと参加。相手は田中さん・山本さん。こちらは自分が左、佐藤さんが右。相手は山本さんが右サイドに入ることが多かった。左右は各ペアがネットを向いたときの向き。相手の利き手は未確認。屋外で風は弱め。記憶から書いているので、正確な回数はわからない。

サーブからの展開 山本さんのサーブを低く返した後、相手がボレーで返してきた。こちらのリターンが浮いたときは攻め込まれた。サーブのコースや回数はよく覚えていない。

ロブの後の動き 山本さんのいる側にロブが深く入ると、相手の二人が下がり、こちらがネットに出られた場面があった。浅いロブは上から強く打たれ、前に出られなかった。深めのロブでも、山本さんのスマッシュで決められたことがある。「山本さんはロブの返球が苦手」とは、まだ言い切れない。

自分たちの動き ロブの深さを確かめる前に自分だけ前へ出て、後ろの佐藤さんとの距離が開いてしまった。二人の間を抜かれたのは、自分が早く動きすぎたせいもありそう。次は前に出るタイミングを二人で確認したい。

次の試合では、試すことを二つに絞ります。

  • 体勢が整ったら深いロブを打ち、返球を見て二人でネットに出る。 ロブが浅くなったり、相手が強く打ち込めたりするときは、前へ急がず守る位置を整え直します。
  • 相手が左右に広がったら、無理に角度をつけずセンターに返す。 相手二人の間を狙い、次の返球をどちらが打つかパートナーと確認しておきます。相手の一人がセンターを守っている場合や、こちらの球が浮いて攻められる場合は、別のコースや返し方に変えます。

センターに打っても、センターに返ってくるとは限りません。実際の返球に合わせて動く必要があります。英国の競技団体 LTA のパデルの戦術ガイドにも、ネットプレー、ロブ、センターの狙い方、壁の使い方、パートナーとの声かけが紹介されています。初心者向けの指導上の助言で、戦術やノートの効果を実験で確かめた資料ではありません。

この例では、深いロブでも攻め返された場面を一緒に書いています。覚えているいくつかの場面だけで、次もうまくいくとは判断できません。パートナーのミスを責めるためではなく、次に何を試すか二人で話すためのメモです。

ネットでのプレーやロブについて、研究でわかっていること

プロの試合を分析した研究でも、ネット付近の位置が注目されています。2023年の観察研究では、2021年の World Padel Tour の男女の試合から2,756ラリーを分析し、ラリーが終わるときにネット付近にいたことと、そのポイントを取ったことに関連が見られました。

エストレマドゥーラ大学の Adrián Escudero-Tena らによる研究です。同大学のほか、マドリード工科大学、ムルシア大学の研究者も参加し、論文は Perceptual and Motor Skills に掲載されています。試合映像の分析なので、ネットに出たことが得点の原因だと確かめたわけではありません。プロ以外の選手に戦術を試してもらった実験でもありません。

Escudero-Tena らによる2020年の観察研究では、2018年シーズンの女子 World Padel Tour の14大会の決勝を調べています。守備側が、攻撃していた相手のペアの後方へボールを返した場面が対象です。ロブの使用と、ネット付近へ出て攻撃する側に回れたことに関連が見られました。ネットに出た後も、ラリーは続くことが多くありました。エストレマドゥーラ大学の研究グループ GOERD の研究者らが、International Journal of Environmental Research and Public Health に発表したものです。

こちらも試合の観察研究で、すべてのロブやラリーを数えた結果ではありません。対象はトップレベルの女子の決勝ですし、ネットに出られたことは、そのポイントを取れたこととも違います。普段の練習試合でも同じようにいくとは限りません。ノートでは「ロブを打った」で終えず、相手がどう返し、その後どちらがネットにいたかまで書いてみてください。

次に同じ相手と対戦する前に

試合前にメモを読み返し、何を試すかパートナーと確認しておきます。序盤から無理なく試せる場面を探し、前回と同じことが起きるかを見ます。相手のパートナーやサイド、風などの条件が変わっていれば、その違いも考えましょう。こちらのロブの深さや相手の返球が前回と違うときも、メモどおりに続ける必要はありません。

試合が終わったら、試せたことと結果を追記します。狙いどおりに打てなかった場合は、それも書いておきます。別の相手との試合でもロブが浅くなるなら、どんな場面で浅くなったかを比べてみます。壁から跳ね返った球を返すときに多ければ、次の練習で深いロブを打つにはどうすればよいか、コーチに相談してみてください。メモや動画を見てもらえば、どの場面を練習したいか伝えられます。振り返りと競技力の関係を調べた研究も紹介していますが、ノートを書くだけで上達するとは言えません。

OpponentBook は、相手ごとに記録をまとめる対戦相手帳です。パデルのコートを描いた競技図にピンを置き、メモを添えられます。ノートはまるごと無料です。

同期した記録は、自分で接続したストレージに保存されます。OpponentBook のアカウント用データベースにノートのコピーは保存しません。自分で AI の処理を依頼したときは、必要な内容が OpponentBook のサーバーを経由して外部の AI 事業者に送られます。任意のエンドツーエンド暗号化(E2EE)をオンにすると、暗号化された記録はストレージ事業者にも読めなくなります。写真・動画と、ファイル名などストレージ事業者に見える情報は、この保護の対象外です。詳しくは記録の保存先と AI 処理の説明を確認できます。

まずは最近の試合を一つ選び、パートナーと相手の名前、覚えているラリーを書いてみてください。自分とパートナーがそれぞれどう動いたかまで書いておくと、次の試合前に具体的な場面を挙げて話せます。

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